目次
練習を60分やっているつもりでも、子どもが動いている時間はその半分以下、ということがよくあります。この記事では、まず自分の練習の「動いている時間」を数え、それから列を作らない5つの工夫を書きます。
- 60分の練習で、子どもが本当に動いている時間を数える方法
- 列を作らない5つの工夫(横に広げる・往復・ステーション・役割・2人組)
- 「待っている子」が練習に戻る、メニューの見直し方
まず、数える
次の練習で、1人の子を決めて、その子が体を動かしている時間だけをストップウォッチで測ってみてください。並んでいる、説明を聞いている、ボールを拾いに行っている時間は止めます。
60分の練習で、30分あればかなり良いほうです。20分を切っている練習も珍しくありません。これが分かると、「もっと練習時間を増やしたい」の前に、「いまの時間の中身を変える」ほうが早いと分かります。
待ち時間が長い練習には、3つの副作用があります。
- 体が冷える。せっかくのウォームアップが無駄になり、ケガが増える
- 集中が切れる。並んでいる子どもがふざけるのは、やることが無いから
- 上達しない。動いた回数が、上達のほぼすべて。4分しか打っていない子は、4分ぶんしか上手くならない
工夫① 横に広げる
一列に並んで1人ずつやる練習は、ほぼ全部、横に広がって同時にやる形に変えられます。
- ドリブル練習:縦1列で1人ずつ → 横に5人並んで一斉に往復
- もも上げ・スキップ:1人ずつ見本どおり → 全員で同時に、コーチも一緒に
- 跳び箱・マット:1台に10人 → 2〜3台に分けて、3〜4人ずつ
ぶつかる心配があるなら、全員が同じ向きに進むようにすれば、ほぼぶつかりません。
工夫② 往復にする
片道だけの練習は、戻る時間が待ち時間です。戻りも練習にする。ドリブルで行って、ドリブルで戻る。ダッシュで行って、スキップで戻る。戻りに別の動きを入れると、1回の練習で2つの動きができます。
工夫③ ステーションに分ける
シュート練習をみんなで1か所でやると、必ず列ができます。同じ時間に、違うことをする場所を3〜4つ作る。
- シュート(コーチ付き)
- 壁パス(2人組)
- ドリブルのコース(コーン)
- ボールを使った体幹(1人で)
3〜4人ずつに分けて、5〜6分で回す。コーチは1か所で見ていればよく、ほかの場所は「やることが決まっている」ので動き続けます。慣れないうちは、各場所に絵で描いた指示カードを置くと、子どもだけで回せます。
工夫④ 待つ人に役割を持たせる
どうしても1人ずつになる練習(鉄棒、跳び箱の大技、1対1)では、待つ人に仕事を渡します。
- 数える係:「3秒キープできたら合格」を数える
- 見る係:「膝が曲がっていたか」を1つだけ見て、終わったら本人に伝える
- ボール係・安全係:マットを押さえる、ボールを返す
見る係は、ただ待つより上達します。人の動きを1つの観点で見ることは、自分の動きを見る目になります。
工夫⑤ 2人組を基本にする
コーチ対全員の形は、どうしてもコーチの前に列ができます。2人組を練習の基本の単位にすると、半分が常に動いています。パス、投げる・捕る、ストレッチ、技の確認。「1人がやって、1人が見る」を交代で回せば、全員が動くか見るかのどちらかをしています。
説明の時間も、待ち時間
列だけが待ち時間ではありません。説明を聞いている時間も、子どもは動いていません。説明は1分以内。やりながら言う。見本は1回。これは「「ちゃんとやって」が伝わらない理由」で書いた、指示の話と同じです。
faqよくある質問
人数が多くて、場所が足りません
場所が足りないときほど、ステーション(③)が効きます。狭い場所でも、「ここは体幹」「ここは壁パス」と分ければ、同じ広さで動く人数が増えます。
横に広げると、1人ずつ見られなくなります
全員を同時に見る必要はありません。横に広げた練習では、1往復ごとに1人だけ見る。10往復で10人見られます。列の形でも、結局1人ずつしか見ていません。
低学年は、ステーションを自分たちで回せません
最初は2か所から。「ここが終わったら、あっち」だけ。カードは文字より絵で。コーチが「移動!」の合図を出す。3回もやれば、子どもは覚えます。
summaryまとめ
- 60分の練習で、子どもが動いている時間を測る。30分を切っていたら、中身を変える
- 列を作らない5つ:横に広げる・往復にする・ステーション・待つ人に役割・2人組
- コーチが見ていなくても動ける形にして、コーチは見たい子・危ない場所だけを見る
- 説明も待ち時間。1分以内、やりながら言う
動いた回数が、上達のほぼすべてです。練習時間を増やす前に、いまの60分の中の待ち時間を減らすほうが、早くて、安くて、ケガも減ります。
この記事の内容は公開時点のものです。公開されている研究や公的な資料をもとに plax labo 編集部が書いています。体調・ケガ・食事に関わる個別の判断は、医師や専門家にご相談ください。








